ミステリー 「黒の試走車」 今見てもドキドキする61年前の自動車業界 産業スパイの攻防戦 「黒の試走車」(1962年 増村保造監督) まず断っておくが、この映画は今から61年前、1962年の作品だ。大昔の映画である。 そのころ日本の自動車産業はライバル社の新車情報をめぐってスパイ戦を繰り広げていた。映画を盛り上げるためのつくり話ではない。実際のビジネスの現場でも生臭い競争が繰り広げられ、作家の梶山俊之はそこ... 2023年2月6日
ミステリー 「ブルーイグアナ 500万ポンドの獲物」 英国人は楽しめる? 上滑りのアクション映画 ブルーイグアナ 500万ポンドの獲物 (2018年 ハディ・ハジェイグ監督) 英国映画である。 泥棒のエディ(サム・ロックウェル)とポール(ベン・シュワルツ)は仮釈放された後、今はニューヨークにあるレストランで働いている。ある日、2人はイギリス人の弁護士キャサリン(フィービー・フォックス)から仕事の依頼を受ける。依頼内... 2022年9月26日
ミステリー 「すべてが変わった日」 可愛い孫をならず者一家から取り返そうとする祖母の愛 すべてが変わった日 (2020年 トーマス・ベズーチャ監督) 筆者は本作を「あ、ケビン・コスナーの映画だな」くらいの感覚で見始めた。そのため共演女優が誰かをチェックしておらず、見終わってからそれがダイアン・レインだと気づいた。筆者の世代にとってダイアン・レインは「リトル・ロマンス」(79年)で幼くしてスターになり、長じ... 2022年9月22日
ミステリー 「太陽がいっぱい」 あのショーンK騒動を思い出す米国青年のコンプレックスと成りすましテク あのショーンK騒動を思い出す米国青年のコンプレックスと成りすましテク 太陽がいっぱい(1960年 ルネ・クレマン監督) 米国の女流作家パトリシア・ハイスミスの小説をルネ・クレマン監督が脚本化した。モーリス・ロネとアラン・ドロンが出たフランス映画であるため、主人公ら男2人をフランス人の設定と勘違いしている人もいるが、実は... 2021年10月29日
ミステリー 「ゲーム」 傲慢な銭ゲバ男が好奇心から巻き込まれた命がけの逃走劇 傲慢な銭ゲバ男が好奇心から巻き込まれた命がけの逃走劇 ゲーム(1997年 デヴィッド・フィンチャー監督) コロナ騒動をめぐるカネの動きで一番面白かったのが昨年6月に持ち上がった、持続化給付金事業を受託した「サービスデザイン推進協議会」の事務所への疑惑報道だ。当初はテレワークという理由で事務所が閉じられていたが、野党議員... 2021年6月5日
ミステリー レッド・オクトーバーを追え! 米ソが腹の内を読み合う奇跡の戦争回避 レッド・オクトーバーを追え!(1990年 ジョン・マクティアナン監督) トム・クランシーの原作を「ダイ・ハード」(88年)のジョン・マクティアナンが監督した。「原潜が空を飛ぶ」と話題になった潜水艦映画の決定版。ラストの魚雷戦は迫力満点だ。 東西冷戦の時代。ソビエト海軍のラミウス大佐... 2020年7月2日
ミステリー 手紙は憶えている 認知症老人のアウシュビッツ復讐の旅 手紙は憶えている(2015年 アトム・エゴヤン監督) 筆者はホロコースト(ユダヤ人大虐殺)の映画はなるべく見るようにしている。「シンドラーのリスト」「サウルの息子」「否定と肯定」などこれまで数多くの問題作が製作された。この「手紙は憶えている」はホロコーストをミステリー風に味付けしてい... 2020年6月7日