ドラマ 「処女の泉」 娘を凌辱・殺害されたキリスト者、報復の苦しみ 娘を凌辱・殺害されたキリスト者、報復の苦しみ 「処女の泉」 (1960年 イングマール・ベルイマン監督) 映画「わが母の記」(2012年)で役所広司扮する作家の井上靖が「映画『処女の泉』を見た」と言う娘に対して、「ピンク映画などを見に行きおって!」と一喝するシーンがある。「処女の泉」を愛する観客はさぞかし笑ったことだろ... 2022年8月17日
ドラマ 「グリーンブック」 粗暴な白人と教養豊かな黒人に降りかかる「差別」と「偏見」の旅 粗暴な白人と教養豊かな黒人に降りかかる「差別」と「偏見」の旅 「グリーンブック」(2018年 ピーター・ファレリー監督) 先日、知人から電話がかかってきて「テレビで『グリーンブック』を見た。あの黒人ピアニストを演じた役者のテクはすごい。本物のピアニストなの?」と聞かれた。そこでこの作品を見返した。本作は実在の人物による... 2022年8月12日
ドラマ 「死刑台のエレベーター」 密室とパリの夜景 殺人事件を舞台にした悲しき女の情念 密室とパリの夜景 殺人事件を舞台にした悲しき女の情念 死刑台のエレベーター(1958年 ルイ・マル監督) ルイ・マルが25歳で撮った初監督作品。若くして世界に才能を見せつけた。 公開時、スクリーンに登場する小物が注目された。日付を印字した紙がめくられる卓上カレンダー、電動鉛筆削り、ガスライター、超小型カメラなどはまだ珍... 2021年6月24日
ドラマ 「ディア・ドクター」 本物になれなかった男の悲哀 ラストシーンで笑いながら涙が… 本物になれなかった男の悲哀 ラストシーンで笑いながら涙が… ディア・ドクター(2009年 西川美和監督) 何度見返しても面白い作品だ。 舞台は人口1000人余りの山間部の村。ここに村営診療所に勤め、村人全員から慕われる医師が働ている。笑福亭鶴瓶が演じる伊野治という男で、村長の誘いを受け、長らく医者がいなかったこの村に赴... 2021年6月21日
ドラマ 「エヴァの匂い」 猫女に入れ込んだ新進作家の破滅 猫女に入れ込んだ新進作家の破滅 エヴァの匂い(1962年 ジョゼフ・ロージー監督) ジョセフ・ロージー監督の代表作のひとつ。 舞台はイタリア。タイヴィアン(スタンリー・ベイカー)は自作小説が映画化されて大ヒットした新進作家。フランチェスカという美しい婚約者もいる。その彼の前に高級娼婦のエヴァ(ジャンヌ・モロー)が現れる... 2021年6月5日
ドラマ 「チャーリー」 母は発狂、自身は国外追放 世界を笑わせた喜劇王につきまとう悲劇 母は発狂、自身は国外追放 世界を笑わせた喜劇王につきまとう悲劇 チャーリー(1992年 リチャード・アッテンボロー監督) 相変わらずコロナ禍が続いている。飲食業界をはじめ、経済界に与えた損失の大きさは計り知れない。先日、銀座の割烹料理屋を廃業するという経営者と話していたら、「やはり昨年、志村けんが死亡したのが大きかった... 2021年6月5日
ドラマ 「女が愛して憎むとき」 若尾文子と田村二郎にみる男女の業 若尾文子と田村二郎にみる男女の業 女が愛して憎むとき(1963年 富本壮吉監督) 「女が階段を上る時」(60年、成瀬巳喜男監督)で銀座の女を描いた脚本家の菊島隆三が舞台を大阪に移した作品。 北新地でバーを営む敏子(若尾文子)は美人ママとして評判を呼び、客は敏子に男がいるのではと興味津々だ。敏子は男の影がない女として通... 2021年6月5日
ドラマ 「ゴッドファーザー PARTⅡ」 戦国時代と被るマフィア抗争 戦国時代と被るマフィア抗争 ゴッドファーザー PARTⅡ(1974年 フランシス・フォード・コッポラ監督) 「ゴッドファーザー」(1972年)の続編でロバート・デ・ニーロの出世作。「PARTⅡ」という言葉は本作から広まった。続編も高評価を受けた映画はこれが初めてといっていい。 前作で父ビトー・コルレオーネ(マーロン・ブ... 2021年6月5日