ドラマ 「グリーンブック」 粗暴な白人と教養豊かな黒人に降りかかる「差別」と「偏見」の旅 粗暴な白人と教養豊かな黒人に降りかかる「差別」と「偏見」の旅 「グリーンブック」(2018年 ピーター・ファレリー監督) 先日、知人から電話がかかってきて「テレビで『グリーンブック』を見た。あの黒人ピアニストを演じた役者のテクはすごい。本物のピアニストなの?」と聞かれた。そこでこの作品を見返した。本作は実在の人物による... 2022年8月12日
ドラマ 「死刑台のエレベーター」 密室とパリの夜景 殺人事件を舞台にした悲しき女の情念 密室とパリの夜景 殺人事件を舞台にした悲しき女の情念 死刑台のエレベーター(1958年 ルイ・マル監督) ルイ・マルが25歳で撮った初監督作品。若くして世界に才能を見せつけた。 公開時、スクリーンに登場する小物が注目された。日付を印字した紙がめくられる卓上カレンダー、電動鉛筆削り、ガスライター、超小型カメラなどはまだ珍... 2021年6月24日
ドラマ 「ディア・ドクター」 本物になれなかった男の悲哀 ラストシーンで笑いながら涙が… 本物になれなかった男の悲哀 ラストシーンで笑いながら涙が… ディア・ドクター(2009年 西川美和監督) 何度見返しても面白い作品だ。 舞台は人口1000人余りの山間部の村。ここに村営診療所に勤め、村人全員から慕われる医師が働ている。笑福亭鶴瓶が演じる伊野治という男で、村長の誘いを受け、長らく医者がいなかったこの村に赴... 2021年6月21日
ドラマ 「ストーカー」 脳を侵食する理解不可能の不条理劇 脳を侵食する理解不可能の不条理劇 ストーカー(1979年 アンドレイ・タルコフスキー監督) ストーカーといっても女につきまとうイカレ野郎ではない。この映画では案内人のことだ。筆者は大学生のころ、ゼミの先輩に本作の話を聞いて無性に見たくなり、劇場に足を向けた。先輩の「難しい映画だぞ」という忠告どおり、理解不可能だった。だ... 2021年6月4日
ドラマ 「砲艦サンパブロ」 中国を舞台にベトナム戦争を痛烈批判 中国を舞台にベトナム戦争を痛烈批判 砲艦サンパブロ(66年 ロバート・ワイズ監督) 1926年の中国。揚子江に停泊中のサンパブロ号と、同艦に立ちはだかる中国独立運動を描く。 スティーブ・マックイーンが演じる新任機関兵のホルマンは、上海で宣教師のシャーリー(キャンディス・バーゲン)と知り合う。彼の親友フレンチー(リチャー... 2021年6月4日
Uncategorized 「浮草」 ドサ役者をめぐる憎しみと愛 ドサ役者をめぐる憎しみと愛 浮草(1959年 小津安二郎監督) タイトルが似ているので成瀬巳喜男監督の「浮雲」と混同されがちだ。あちらは白黒映画、本作はカラー。ストーリーも全然違う。 志摩半島の漁村でドサ回りの大衆演劇「嵐駒十郎一座」が興行を打つ。実は親方の駒十郎(中村鴈治郎)はこの地のお芳(杉村春子)との間に清(川口... 2021年6月4日
ドラマ 摩天楼を夢みて セールスマンの悲哀と憎悪 摩天楼を夢みて(1992年 ジェームズ・フォーリー監督) アル・パチーノ、ジャック・レモン、ケビン・スペイシーら実力派7人の競演が見もの。舞台はニューヨークにある不動産会社の支社。本社から来た年下の幹部(アレック・ボールドウィン)に「成績の悪いセールスマンはクビだ」と宣告された営業マンたちの生... 2021年6月4日
ドラマ 素敵な人生のはじめ方 男と女が勇気を与え合う大人のドラマ 素敵な人生のはじめ方(2006年 ブラッド・シルバーリング監督) モーガン・フリーマンが主演と製作総指揮を務めた意欲作だ。 映画出演から遠ざかって4年になる有名俳優(M・フリーマン)が若い撮影スタッフの運転するクルマで新作の役作りのためにロス郊外のスーパーを見学する。これから演じる店... 2020年9月13日
ドラマ シェルブールの雨傘 戦争に引き裂かれた男女、聖夜の再会 シェルブールの雨傘(1964年 ジャック・ドゥミ監督) 筆者は別れの映画が好きだ。最初に男女の別れで感動したのが米国映画「おもいでの夏」(1971年、ロバート・マリガン監督)だった。童貞の少年が夫を戦争で失った美しき人妻とレコード音楽に合わせて踊り、ベッドに誘われる結末に甘酸っぱさを... 2020年8月30日
ドラマ 静かなる決闘 感染症で人生狂わされた青年医師心の叫び 静かなる決闘(1949年、黒澤明監督) 新型コロナの蔓延で、医師や看護師ら医療従事者の子供が「学校に来るな」「公園は立ち入り禁止」と偏見の声を浴びている。大人までがネトウヨじみた妄言を吐いているのだ。日本人の愚劣化もここまできたかと呆れてしまう。 巣ごもり生活の中で見て欲しいのが... 2020年8月24日