貧乏人が貧乏人を蹴落として生き残ろうとする現代の不条理 パラサイト 半地下の家族(2019年 ポン・ジュノ監督) 一昨日、韓国ソウルが集中豪雨に見舞われ、半地下の住居が浸水して3人の犠牲者が出たというニュース映像を見た。この映画「パラサイト 半地下の家族」と同じ光景に、現実のほうがずっと悲惨なのだと痛感させられた。かの...
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社会派の記事一覧
英国人への拷問によって旧日本軍を冒涜した"反日"映画なのか? レイルウェイ 運命の旅路 (2013年 ジョナサン・テプリツキー監督) 第2次大戦中、日本軍の捕虜になった英国人の苦悩を描く。主人公のエリック・ローマクスの実体験を映画化した。 戦争終結から35年後の1980年、退役軍人のローマクス(コリン・ファース)は看護...
男と女の悲恋に秘められた米国の戦意高揚の意図を見抜け カサブランカ(1942年 マイケル・カーティス監督) 原題は「Casablanca」。フランス領モロッコの町カサブランカを舞台にした物語だが、スペイン語でcasaは「家」、blancaは「白」の意味で直訳は「白い家」。英訳すると「ホワイトハウス」を表している。政治性...
バッハに国民を売った菅首相に見せたい50年前の黒人差別の真実 ベスト・オブ・エネミーズ -価値ある闘い-(2019年 ロビン・ビセル監督) ついにと言うべきか、とうとうと言うべきか。東京五輪が始まった。もう後戻りはできない。国民の多くが開催に反対あるいは延期すべきだと主張しているのに、菅政権は五輪のごり押しにノーと言...
憲兵隊の拷問はなかったのか? 話題作にまつわる筆者の疑問 スパイの妻(2020年 黒沢清監督) 筆者は頭が悪いので、黒沢清監督の作品はどれを見てもなんだかよく分からない。だけど本作は比較的理解しやすい。そのおかげか、第77回ベネチア国際映画祭コンペティション部門銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞した。こうした歴史の闇に切り...
金大中に重りをつけて海に沈めようとしたKCIAと彼らに協力した自衛隊員 KT(2002年 阪本順治監督) 一昨日(6月30日)、東京・千代田区にあるホテルグランドパレスの営業が終わった。1972年2月の開業から49年間営業を続けてきた。まさに半世紀である。このニュースを聞いてもう一度見たくなったのが金大中事件を描いた本...
ビジネスマンを殺害した8発の銃弾が暗示する虚構の世界 ジョーカー(2019年 トッド・フィリップス監督) 10年ほど前、外資系銀行に勤めている人からこんな話を聞いた。 「現在の米国は貧富の差が広がるばかりだが、今から60年ほど前はこれほどひどくなかった。もちろん大富豪はいたが、国民の大部分は中産階級と言ってもいい状況だ...
腐敗警官に1人で立ち向かう セルピコ (1973年 シドニー・ルメット監督) 「十二人の怒れる男」「未知への飛行」などの社会派監督、シドニー・ルメットがメガホンを取った問題作。 ニューヨーク市警の刑事セルピコ(アル・パチーノ)が捜査中に顔を銃撃され、病院に担ぎ込まれた。実はセルピコは市警の腐敗ぶりを告発し、同僚刑事たち...
アメリカ史の暗部を抉り出した問題作 ソルジャーブルー(1970年 ラルフ・ネルソン監督) 南北戦争末期の1864年、米コロラド州サンドクリークで起きた先住民虐殺事件をモデルにした作品。騎兵隊が女子供を虐殺するシーンが世界に衝撃を与えた。 主人公はクレスタ(キャンディス・バーゲン)という花嫁。北軍騎兵隊の馬車で結婚式に送...
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佳作・駄作1日1本