信長を殺したが、新たに出現した秀吉というヒトラーが民衆を虐殺 忍びの者(1962年 山本薩夫監督) 昔の玩具店にはオモチャの刀や黒頭巾が売られていて、子供たちは「えい」「やあっ!」と忍者ごっこに興じたものだ。テレビでは「隠密剣士」「風のフジ丸」「仮面の忍者赤影」「カムイ外伝」などが放映されていた。戦前から続く忍者ブーム...
時代劇
時代劇の記事一覧
艶やかな平安絵巻で観客を魅了する京マチ子の悲しき献身愛 地獄門(1953年 衣笠貞之助監督) 京マチ子が95歳で亡くなって2年になる。CS放送で昔の映画を見ていると、京マチ子の姿を目にすることもたびたび。思えば、どんな役もこなせる大女優だった。「鍵」(59年)では白い柔肌を、「他人の顔」(66年)では乳首を披露。表現者...
皿屋敷の怪談と武家社会の不条理から見る女の不遇の時代 手討(1963年 田中徳三監督) 夏の風物詩ともいえる怪談話。日本人に一番なじみが深いのは「四谷怪談」だろう。次によく知られているのは歌舞伎や講談で演じられた怪談「皿屋敷」ではないだろうか。本作は岡本綺堂が「番町皿屋敷」として小説化した作品を、脚本家の八尋不二が脚色...
美女焼殺 学生運動の時代に平安貴族の残酷趣味を描く 地獄変 (1969年 豊田四郎監督) 芥川龍之介の名作を「文芸映画の巨匠」と呼ばれる豊田四郎が監督。1960年代後半の世相が反映された脚本だ。芥川也寸志(龍之介の三男)の主題曲も重厚で聞きごたえがある。 藤原家が権勢を誇った平安時代。天才絵師の良秀(仲代達矢)は権力...
現代人も恐れをなす盲人の畜生道。61年前の日本人はどう見たのか? 不知火檢校(1960年 森一生監督) 「視覚障害者」というとハンディキャップに負けず懸命に生きている人々のイメージが強い。口がきけないのも耳が聞こえないのも大変な苦労だろうが、目が見えないのはそれより数段苦しいものだと思ってしまう。だから我々は街で白い杖...
盲目の下級武士VS達人の重役 妻を汚された男が挑む真剣勝負 武士の一分(2006年 山田洋次監督) 藤沢周平の時代小説を映画化。「たそがれ清兵衛」(2002年)、「隠し剣 鬼の爪」(04年)に続く山田羊次監督による藤沢シリーズの完結編だ。 舞台は藤沢の小説に毎回登場する海坂藩。藩主の毒見役を務める三村新之亟(木村拓哉)...
原作にない「愛」をめぐるナゾ 上意討ち 拝領妻始末(1967年 小林正樹監督) 映画「切腹」の原作「異聞浪人記」を執筆した作家、滝口康彦による短編時代小説「拝領妻始末」の映画化。ベネチア国際映画祭批評家連盟賞などに輝いた。 会津藩馬廻り役の笹原伊三郎(三船敏郎)は、藩主松平正容の側室お市の方(司葉子)を長男与五郎(加藤...
内紛、暗殺の果てに裏切られ…… 天狗党(1969年 山本薩夫監督) 幕末に暴れ回った水戸天狗党と彼らに関わった男の生きざまを描く。 常陸国の百姓・仙太郎(仲代達矢)は租税の減免を願い出たことで代官の怒りを買い、百叩きの仕置きを受ける。このとき仙太郎は水戸天狗党の加多(加藤剛)に随行していた甚伍左親分から水と銭を与えられ...
1
2
佳作・駄作1日1本