ドラマ 「ストーカー」 脳を侵食する理解不可能の不条理劇 脳を侵食する理解不可能の不条理劇 ストーカー(1979年 アンドレイ・タルコフスキー監督) ストーカーといっても女につきまとうイカレ野郎ではない。この映画では案内人のことだ。筆者は大学生のころ、ゼミの先輩に本作の話を聞いて無性に見たくなり、劇場に足を向けた。先輩の「難しい映画だぞ」という忠告どおり、理解不可能だった。だ... 2021年6月4日
ドラマ 「砲艦サンパブロ」 中国を舞台にベトナム戦争を痛烈批判 中国を舞台にベトナム戦争を痛烈批判 砲艦サンパブロ(66年 ロバート・ワイズ監督) 1926年の中国。揚子江に停泊中のサンパブロ号と、同艦に立ちはだかる中国独立運動を描く。 スティーブ・マックイーンが演じる新任機関兵のホルマンは、上海で宣教師のシャーリー(キャンディス・バーゲン)と知り合う。彼の親友フレンチー(リチャー... 2021年6月4日
Uncategorized 「浮草」 ドサ役者をめぐる憎しみと愛 ドサ役者をめぐる憎しみと愛 浮草(1959年 小津安二郎監督) タイトルが似ているので成瀬巳喜男監督の「浮雲」と混同されがちだ。あちらは白黒映画、本作はカラー。ストーリーも全然違う。 志摩半島の漁村でドサ回りの大衆演劇「嵐駒十郎一座」が興行を打つ。実は親方の駒十郎(中村鴈治郎)はこの地のお芳(杉村春子)との間に清(川口... 2021年6月4日
ドラマ 摩天楼を夢みて セールスマンの悲哀と憎悪 摩天楼を夢みて(1992年 ジェームズ・フォーリー監督) アル・パチーノ、ジャック・レモン、ケビン・スペイシーら実力派7人の競演が見もの。舞台はニューヨークにある不動産会社の支社。本社から来た年下の幹部(アレック・ボールドウィン)に「成績の悪いセールスマンはクビだ」と宣告された営業マンたちの生... 2021年6月4日
ドラマ ツィゴイネルワイゼン 芸術家? マジックか? それが問題だ! ツィゴイネルワイゼン(1980年 鈴木清順監督) 1980年のキネマ旬報1位ほか、ベルリン映画祭特別賞などを受賞。斬新な映像とミステリアスなストーリーが映画ファンを魅了した。筆者は公開当時、渋谷に設営されたドーム型テントで見学した。「観客動員5万人」という文言が記憶に残っている。... 2021年6月3日
ドラマ 素敵な人生のはじめ方 男と女が勇気を与え合う大人のドラマ 素敵な人生のはじめ方(2006年 ブラッド・シルバーリング監督) モーガン・フリーマンが主演と製作総指揮を務めた意欲作だ。 映画出演から遠ざかって4年になる有名俳優(M・フリーマン)が若い撮影スタッフの運転するクルマで新作の役作りのためにロス郊外のスーパーを見学する。これから演じる店... 2020年9月13日
ドラマ シェルブールの雨傘 戦争に引き裂かれた男女、聖夜の再会 シェルブールの雨傘(1964年 ジャック・ドゥミ監督) 筆者は別れの映画が好きだ。最初に男女の別れで感動したのが米国映画「おもいでの夏」(1971年、ロバート・マリガン監督)だった。童貞の少年が夫を戦争で失った美しき人妻とレコード音楽に合わせて踊り、ベッドに誘われる結末に甘酸っぱさを... 2020年8月30日
ドラマ 静かなる決闘 感染症で人生狂わされた青年医師心の叫び 静かなる決闘(1949年、黒澤明監督) 新型コロナの蔓延で、医師や看護師ら医療従事者の子供が「学校に来るな」「公園は立ち入り禁止」と偏見の声を浴びている。大人までがネトウヨじみた妄言を吐いているのだ。日本人の愚劣化もここまできたかと呆れてしまう。 巣ごもり生活の中で見て欲しいのが... 2020年8月24日
ドラマ 愛のコリーダ 2・26事件の時代に起きた男根ちょん切り事件 愛のコリーダ (1976年 大島渚監督) 本作が公開された76年はまだ日本にビデオデッキがそれほど浸透していなかった。そのためエッチなものを見たい男はピンク映画館に行くか、ストリップに行った。裏社会にコネのある人々はノーカットでボカシなしのブルーフィルムを見ることができたが... 2020年7月14日
ドラマ ウォール街 おカネを求めすぎてカネに裏切られた証券マンの自業自得 ウォール街(1987年 オリバー・ストーン監督) 何度見ても新鮮な感動を味わえる作品だ。 日本公開は1988年4月。当時のパンフレットに「日本でも機関投資家から主婦、OLまで株式投資に走り、財テクが新しい社会問題になっている折、まさにタイムリーな映画の登場だ」と書か... 2020年7月7日