砲艦サンパブロ

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中国を舞台にベトナム戦争を痛烈批判

砲艦サンパブロ(66年 ロバート・ワイズ監督)

1926年の中国。揚子江に停泊中のサンパブロ号と、同艦に立ちはだかる中国独立運動を描く。
スティーブ・マックイーンが演じる新任機関兵のホルマンは、上海で宣教師のシャーリー(キャンディス・バーゲン)と知り合う。彼の親友フレンチー(リチャード・アッテンボロー)は酒場女のメイリーと結婚するが無断外出の末に病死。メイリーは中国人の暴徒に殺される。ホルマンはメイリー殺しの嫌疑をかけられ、群衆は彼の身柄を要求する。
そんな折、米国人ら6人が殺される南京事件(27年)が発生。サンパブロ号は米国人救出のため川を上り、国民党軍と激しい戦闘を展開する。ホルマンは思いを寄せるシャーリーを迎えにいくが、すでに敵兵に囲まれていた。彼女のため、ひとり敵地に残るホルマンだが……。
中国が舞台のスペクタクル作では、1900年の義和団事件を題材にした「北京の55日」(63年)が有名だ。中国人に包囲された欧米列強の籠城戦を描いた作品。「欧米は善。中国は悪」という西部劇のような自己正当化映画だった。
一方、本作はロバート・ワイズ監督がベトナム戦争への批判を込めて製作した。63年、米CIAは南ベトナムにクーデターを誘発してゴ・ディエン・ジェム大統領を殺害。トンキン湾事件(64年)の虚偽報告を悪用したジョンソン大統領は65年に北爆を開始した。解放民族戦線と北ベトナム軍による68年のテト攻勢では米大使館が占拠された。農民504人が殺害されたソンミ事件も68年に起きている。60年代はベトナム戦争が泥沼に向かった時代だった。
本作の米国人は共産軍、国民党軍の両軍と中国民衆に敵視され、博愛主義の宣教師も銃弾に倒れる。大国による海外派兵がいかに愚かな行為であるかを描いた問題作だ。

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