小さな恋のメロディ

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日本の中高生をノックアウトした美しきメロディちゃんの衝撃

小さな恋のメロディ(1971年 ワリス・フセイン監督)

60歳前後の人はこのタイトルを聞いただけで頭の中に“Who is the girl with the crying face looking at millions of signs?”とビージーズの主題曲が流れるだろう。英米ではいまいちだったが日本で大ヒットした。

ロンドンの少年ダニエル(マーク・レスター)が同じ学校のメロディ(トレイシー・ハイド)に恋するお話。メロディはダニエルに引かれ、授業をサボって遊園地を楽しむ。学校に戻ると校長からお説教を受け、クラスメートら冷やかされる。ダニエルは親友のトム(ジャック・ワイルド)と殴り合いの喧嘩。だが、ご学友に見守られながら、2人は結婚式に臨むのだった……。
公開時、マーク・レスターは13歳でトレイシー・ハイドは12歳。ジャック・ワイルドは19歳だった。このジャック・ワイルドが芸達者で、悪ガキを生き生きと演じたため面白さが倍増した。
とはいえ魅力は何といってもメロディちゃんだ。金魚と遊ぶメロディ、酒場で父を探すメロディ、学校でダニエルを待つメロディ――。どれもこれも「かわいい!」の一語に尽きる。「エクソシスト」のリンダ・ブレアや「タクシードライバー」のジョディ・フォスターにない純朴で可憐なオーラを放っていた。雨の墓地でダニエルと座るシーンなんぞは胸にグッとくる。
当時の日本の青春ドラマといえば体育会系の「おれは男だ!」やNHKの「中学生日記」。女子高生が中年のおっさんと結婚する「おさな妻」もあった。そんなやぼったいドラマを見ているところに紳士の国から美少女と美少年が来襲。中高生はペルリの黒船来航やマッカーサー来日に匹敵するディープインパクトを受けた。
気になるのはトロッコで逃げたダニエルとメロディのその後だ。愛はもろく、人の気持ちはうつろいやすい。あのあとどうなったのだろうか。2人が浮気発覚や性格の不一致で別れなかったと信じたい。
ちなみにトレイシー・ハイドは映画出演は本作だけ。マーク・レスターは役者として目が出なかった。ジャック・ワイルドは06年に53歳の若さで死去。まさに三者三様の人生である。

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