戦争 ディア・ハンター ロシアンルーレットを楽しむ“極悪ベトコン” ディア・ハンター(1978年マイケル・チミノ監督) アカデミー賞5部門を獲得。マイケル・チミノは本作のあとで撮った「天国の門」が大ゴケし、ユナイテッド・アーティスツを倒産させた。「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」(85年)などの作品もあるが、やはり一発屋監督だ。 ストーリーはご存... 2020年7月5日
ドラマ 十階のモスキート 現役警察官が落ちたサラ金の泥沼地獄 十階のモスキート(1983年 崔洋一監督) 内田裕也が「水のないプール」(1982年)に続いて映画主演を務めた問題作。崔洋一の監督デビュー作でもある。 舞台は千葉県君津市。交番に勤務する男(内田)は妻に愛想を尽かされて離婚し、悶々とした日々を送っている。警察の昇任試験を何度も受けてい... 2020年7月5日
ドラマ キツツキと雨 若者と初老男、ゾンビをめぐる奇妙な交流 キツツキと雨(2012年、沖田修一監督) 第24回東京国際映画祭で審査員特別賞を受賞。役所広司が初老の木こりを自然体で演じた。 役所広司の作品は大概見ているが、彼の最高作ではないかと思う。演じているというより主人公に成りすましている印象さえ受けるのだ。 岸(役所)は山間の村で働く... 2020年7月4日
社会派 追想 娘を撃たれ、妻を焼き殺された男の復讐劇 追想(1975年、ロベール・アンリコ監督) 1976年、日本でロミー・シュナイダーのブームが起きた。72年作の「夕なぎ」も公開され、日本人はカトリーヌ・ドヌーブと一味違う色香に魅了されたものだ。筆者の友人などは高校生のくせに「ロミー・シュナイダーは色っぽい。結婚したい」と色めき立... 2020年7月4日
社会派 暗殺のオペラ ムソリーニと戦った亡父、誰に殺されたのか? 暗殺のオペラ(1970年 ベルナルド・ベルトルッチ監督) ベルナルド・ベルトルッチ監督の29歳の意欲作。ホルヘ・ルイス・ボルヘスの小説「裏切り者と英雄のテーマ」が原作だ。ベルトルッチ監督は同じ1970年に「暗殺の森」も発表。トミニク・サンダを起用したこの作品で世界的な名声を得... 2020年7月4日
アクション パピヨン ゴキブリ、ムカデを食べて地獄から脱出 パピヨン(1973年 フランクリン・J・シャフナー監督) フランス人の囚人が流刑地から脱獄した実話を映像化した70年代の話題作。ジェリー・ゴールドスミスによる主題曲も大ヒットした。 実際のパピヨンとして苦難を経験した原作者のアンリ・シャリエールはこの映画の公開を楽しみにしていたが、... 2020年7月4日
パニック アウトブレイク 軍事優先が引き起こした大量感染死 アウトブレイク(1995年 ウォルフガング・ペーターゼン監督) 新型コロナの第2波が心配されている。伝染病の恐怖を描いたのが本作だ。 1967年、アフリカ・ザイールで激烈な熱病が蔓延。米軍は現地を爆撃して人間をウイルスごと抹殺する。約20年後、米陸軍のダニエルズ軍医大佐(ダスティン・ホ... 2020年7月3日
ドラマ 夜の素顔 成り上がり女の知られたくない「過去」 夜の素顔(1958年 吉村公三郎監督) 脚本は新藤兼人。ドロドロした女の野望と計略を描いた傑作だ。 1948年、戦争の痕跡が残る東京で、踊り子の朱実(京マチ子)は日舞の家元・小村志乃(細川ちか子)に直談判して弟子入りを許される。数年後、朱実の働きで志乃の流派は家勢を拡大していた。そ... 2020年7月2日
時代劇 ラスト サムライ ハリウッドが魅せられた“西郷隆盛”の最期 ラスト サムライ(2003年 エドワード・ズウィック監督) ハリウッド製作による日本の西南戦争をモデルにした作品だ。この一作で渡辺謙と真田広之は世界に知られる俳優となった。とくに渡辺のその後の活躍は目を瞠るものがある。人間、どこに転機があるか分からないものだ。 1876年、南北... 2020年7月2日