青春 愛と青春の旅だち 主人公の任務はパイロットとして女子供を虐殺すること 愛と青春の旅だち(1982年 テイラー・ハックフォード監督) 原題は「An Officer and a Gentleman」で、直訳すると「士官と紳士」。士官たる前に紳士であれという意味だそうだが、日本では「愛と青春の旅だち」というミーハーなタイトルに改造して多くのカ... 2020年8月16日
パニック 感染列島 映画が予見したコウモリの毒性と人工呼吸器不足 感染列島(2009年 瀬々敬久監督) 感染症の恐怖を描いた映画では「アウトブレイク」(1995年)や「コンテイジョン」(2011年)などがある。「ベニスに死す」(1971年)も疫病の蔓延を背景にした一篇だった。新型コロナで世の中はいまも右往左往している。そんな中、あらためて... 2020年8月12日
アクション フレンチ・コネクション クルマがボコボコになる衝撃の追跡劇 フレンチ・コネクション(1971年 ウィリアム・フリードキン監督) 思えば1970年代のウィリアム・フリードキン監督は絶好調だった。本作で第44回アカデミー賞の作品賞、監督賞、主演男優賞など5部門を受賞。その後「エクソシスト」(73年)で世界中を怖がらせ、フランス映画のリメイク版「恐... 2020年7月15日
ドラマ 愛のコリーダ 2・26事件の時代に起きた男根ちょん切り事件 愛のコリーダ (1976年 大島渚監督) 本作が公開された76年はまだ日本にビデオデッキがそれほど浸透していなかった。そのためエッチなものを見たい男はピンク映画館に行くか、ストリップに行った。裏社会にコネのある人々はノーカットでボカシなしのブルーフィルムを見ることができたが... 2020年7月14日
時代劇 最後の忠臣蔵 血みどろの切腹は必要だったのか? 最後の忠臣蔵(2010年 杉田成道監督) 日本人は忠臣蔵が好きだ。そこには日本人が信奉してきた「忠君孝心」の精神があるのかもしれない。身分の高い存在を自らつくり出し、神のように尊崇するのだ。そして命がけで主君の命を守る。あるいは主君の名誉を守る。昔風に言えば「天皇陛下のおんために命がけ... 2020年7月8日
ドラマ ウォール街 おカネを求めすぎてカネに裏切られた証券マンの自業自得 ウォール街(1987年 オリバー・ストーン監督) 何度見ても新鮮な感動を味わえる作品だ。 日本公開は1988年4月。当時のパンフレットに「日本でも機関投資家から主婦、OLまで株式投資に走り、財テクが新しい社会問題になっている折、まさにタイムリーな映画の登場だ」と書か... 2020年7月7日
ホラー 悪魔のいけにえ チェーンソーでに切り刻まれる若者たち 悪魔のいけにえ(1974年 トビー・フーパー監督) 筆者は高校時代の1975年2月、九州・小倉の映画館で本作の封切り公開を見た。劇場の前に立て看板が設置され、こう書かれていた。 「その怖さ、不気味さ、不快さは映画史上例がないといっていいものである。アメリカ本国では11月初頭からまず... 2020年7月6日
ドラマ 狼よさらば 際限なく続く平和主義者の復讐劇 狼よさらば(1974年 マイケル・ウィナー監督) 「丹頂チック」という整髪料がある。ポマードを押し出して髪に塗るもので、筆者の父はこれを使っていつも頭がベトベトだった。1971年、発売元の「丹頂」が突然「マンダム」に社名を変えた。新発売のマンダムシリーズのCMにチャールズ・ブロンソンを起... 2020年7月5日
社会派 デトロイト 1967年の暴動で起きたリンチと殺しの一夜 デトロイト(2017年 キャスリン・ビグロー監督) 黒人男性が警察官の暴行で死亡したことに抗議するデモが米国やヨーロッパなどで起きている。デモ隊の一部が暴徒化し、トランプ大統領は一時、軍隊の出動まで口にした。米国映画にはこうした差別による暴動を背景にした作品が少なくない。この... 2020年7月5日