ビジネスマンを殺害した8発の銃弾が暗示する虚構の世界 ジョーカー(2019年 トッド・フィリップス監督) 10年ほど前、外資系銀行に勤めている人からこんな話を聞いた。 「現在の米国は貧富の差が広がるばかりだが、今から60年ほど前はこれほどひどくなかった。もちろん大富豪はいたが、国民の大部分は中産階級と言ってもいい状況だ...
モリケンの★5映画
シャロン・ストーンがベッドシーンを披露。ブルーレイをスロー再生したい 氷の微笑(1992年 ポール・バーホーベン監督) 公開から29年。シャロン・ストーンの全裸ファックに股間を燃えたぎらせた読者諸氏も、ED薬に頼る年齢に達したのではないか。3年前、ブルーレイが発売された。再見すれば、排尿専用となっている股間に若かりしこ...
利発な美少女と飲んだくれ男 ライフルの迫力が冴える敵討ちの西部人情劇 トゥルー・グリット(2010年 ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン監督) コーエン兄弟による西部劇。敵討ち物語だ。1969年の「勇気ある追跡」をリメイクしたもので、前作ではジョン・ウェインとキム・ダービーが共演した。 14歳の少女マティ(ヘイリー...
同室した乗客は妻殺しの犯人なのか? 夜行列車を舞台に揺れ動く女の情念...
猫女に入れ込んだ新進作家の破滅 エヴァの匂い(1962年 ジョゼフ・ロージー監督) ジョセフ・ロージー監督の代表作のひとつ。 舞台はイタリア。タイヴィアン(スタンリー・ベイカー)は自作小説が映画化されて大ヒットした新進作家。フランチェスカという美しい婚約者もいる。その彼の前に高級娼婦のエヴァ(ジャンヌ・モロー)が現れる...
スポーツ界の卑劣な一撃 ミリオンダラー・ベイビー(2004年 クリント・イーストウッド監督) アカデミー賞の作品賞と監督賞など4部門で受賞した。 ロスでボクシングジムを赤字経営するフランキー(クリント・イーストウッド)とスクラップ(モーガン・フリーマン)の前にボクサー志望のマギー(ヒラリー・スワンク)が現れる。食堂の食...
腐敗警官に1人で立ち向かう セルピコ (1973年 シドニー・ルメット監督) 「十二人の怒れる男」「未知への飛行」などの社会派監督、シドニー・ルメットがメガホンを取った問題作。 ニューヨーク市警の刑事セルピコ(アル・パチーノ)が捜査中に顔を銃撃され、病院に担ぎ込まれた。実はセルピコは市警の腐敗ぶりを告発し、同僚刑事たち...
傲慢な銭ゲバ男が好奇心から巻き込まれた命がけの逃走劇 ゲーム(1997年 デヴィッド・フィンチャー監督) コロナ騒動をめぐるカネの動きで一番面白かったのが昨年6月に持ち上がった、持続化給付金事業を受託した「サービスデザイン推進協議会」の事務所への疑惑報道だ。当初はテレワークという理由で事務所が閉じられていたが、野党議員...
老作家が若き娼婦への情愛に逡巡する「大人のメルヘン」...
多国籍の人々が互いを支え合って生きる米国版「深夜食堂」 パターソン(2016年 ジム・ジャームッシュ監督) ジム・ジャームッシュの良さはよく分からないけど、この映画はいい。筆者は試写会で最初に見学し、その後、飯田橋ギンレイホールで上映したので見に行った。2度目のほうが感動したような気がする。 ニュージャージー州パターソ...
佳作・駄作1日1本